WindowsMobileはビジネスで使えるか

かなり前に購入してそのまま放置状態でしたが
いまさらながらレビューしたいと思います。

 

ビジネス向けではSIMフリー機が多数出たこともあり
MVNOとの組合せで社員へ低コストで支給するスマホとして
かなり期待しておりました。

※最近は2要素認証の対応で外出先で利用は無くても
社員一人一人の電話番号(SMS)が必須となってきている。

とはいえWindowsMobileの供給自体が終息してきており
ロースペック機は大型アップデートが提供されないとのことで
新規で購入しても製品寿命が限られることになります

KATANA01なら2018/10/09まででセキュリティ更新が停止する可能性が高いということになりますので
これでは選択肢にできません。

他のWindowsMobileでもすでに処分販売中ですので
将来的に入手したい時に手に入る可能性は低そうです。

 

<WindowsMobileの利点>

  • MSアカウントではなく企業向けOffice365アカウントが利用できる
  • アカウントを設定しなくても一通りのアプリが揃う(Officeソフト)
  • アプリストアが充実していないのでおかしなアプリを入れられる心配が少ない
  • Windows10と操作が似ているので慣れるのが早い
  • 毎月のセキュリティアップデート(ない場合もあり?)
  • 電器店ですぐ購入、MVNOで低コスト運用

<ファーストインプレッション、ケーブル>

20170910_062412
KATANA01はコンパクトで薄く2台めとしては持ちやすくなっています。
SIMスロットも2つあり切替えて使用できます。(同時スタンバイではない)

ロースペック機なので少し重い処理をさせると引っかかりが発生しますが
ビジネス用途なら思ったより使える感じ。
タッチパネルの精度が悪いのが誤操作が多い。
カメラは資料用としてもちょっとノイズが酷い。

 

NuAns NEOは5インチで想像するよりは大きくて厚くて重い
握りやすくはあるのですが2台持ち歩きはあまりしたくないですね。

ICカードが内蔵できるスペースがあるので
オフィスへの入館証などをそのまま入れることも可能。

ミドルスペックなので動きはスムーズ

LEDランプが無いため充電中などの情報が一切分からず
はじめ電源が入らずに不良品かと思いましたが
電池残量がないだけでした。これはかなりマイナスポイント

画面のガラスは綺麗なのですが曲面カットされており
保護フィルムは端が浮きます。貼らない方がよいかと。

カメラは資料用としては使えるレベルですが
フォーカススピードが遅くシャッターチャンスには弱い感じ。
SNS用の写真としては期待しない方がよいかと

NuAns NEOは所有している機器の中で初めての
USB typeCケーブルとなっています。20170910_151744

typeCケーブルはすでに¥100SHOPでも取扱があり
ちょっと時代に取り残されている感がありますね(;^_^A
急速充電、データ転送、できました。

なお、NuAns NEOの初期モデルには不具合があるものがあるので注意。

地図ソフトは他のモバイルOSに負けていますが使えないほどではないです。
ただ文字の向きは固定のようで常に北を上とした位置にしか表示できない為読みにくい。

 

<OSのバージョン>※2017年9月10日

KATANA01 NuAns NEO
wp_ss_20170905_0003 wp_ss_20170910_0001

確認できるようにすでに提供されるOSのバージョンが異なっている。
KATANA01にはCreatorsUpdate(1703)は提供されていない。

WindowsMobileではCreatorsUpdateで多少機能強化がされている。

ちなみにWindowsUpdateには無線LANが必須になると思われます。

 

<デバイスの暗号化>

wp_ss_20170905_0011
ビジネスでは必須となる暗号化に対応。

しかしiOS(8.0以上)やAndroid(6.0以上)が標準で暗号化されているにくらべ
WindowsMobileでは選択式となっている。

CreatorsUpdateからSDカードの暗号化にも対応。

 

<メール・カレンダー>

wp_ss_20170910_0003
様々なメールアカウントに対応。この点はiOSやAndroidに勝る。

Windows10のデスクトップとほぼ同じで
モバイル用と割切れば特に不便無く使用できる。

 

<電話>

電話としては使っていない為使い勝手は分かりません。

正規の割引電話アプリやIP電話アプリもストアにない為
MVNOで使用する場合、電話料金は比較的高めになってしまいます。

プレフックスに対応した電話アプリはあるため
自分で調べて設定できる方はこちらを使うとよいでしょう。
https://www.microsoft.com/ja-jp/store/p/rapdialer/9wzdncrfhwwb

IP電話ではありませんがSkypeは用意されている。
(MSアカウントが必要)

wp_ss_20170911_0002
Skypeクレジットで電話をかけることも一応できる。
Skypeの待受けはできないような記述も見受けられるが
現在のアプリでは簡単なテストでは着信した。

またSkype for Business(Office365アカウントが必要)もストアには用意されているが
こちらのアプリは古いようで設定は面倒。(自動設定ではない、2要素認証に対応しない。)

 

<アカウントは必須か>

管理者としてセットアップに苦労するのが各OSの(クラウド)アカウント
基本個人用アカウントだとセキュリティ上許可は出すのが難しい。
しかし何かしらのアプリを入れるには各OSのアプリストアでアカウント登録が必須になっている。

となるとiOSのAppleIDはNG
Androidで使用可能なG Suite 用のアカウントなら管理ができるが
そもそもGoogle自体が広告で収益を上げている企業、
Androidの安全性や各機器のカスタマイズによるマニュアル化のしづらさ
を考慮すると企業では採用が難しい。

その点でWindowsMobileであれば初めからOfficeソフトがプリンストール
Office365アカウントでの設定に対応と
アカウントのあり、なし両面で基本的なことに使用できる可能性が高い。

 

プリンストールアプリでアカウントが必要となるのは

  • ストア
  • Excel、Word、PowerPoint(読取専用なら不要
  • OneDrive
  • OneNote
  • Skype
  • Xbox
  • Officeファイルはメールで添付されることが多く
    表示の正確さやパスワード付ファイルだった場合に
    Officeアプリが必須となる。

    iOSやAndroidの場合はアプリストアでのインストールがほぼ必須
    (※Androidはプリンストールされている機種も若干存在)
    なのでアカウント設定せねばならず非常に面倒となる。
    その点、WindowsMobileは最低限ながらアカウント登録なしでも利用が可能となります。

    <Office365アカウント登録での利用>

    wp_ss_20170910_0004wp_ss_20170910_0005
    会社でOffice365アカウントを利用していれば
    Skype以外のアプリは利用可能になります。

    設定>アカウント>職場または学校にアクセスする
    にてアカウント登録しておけば
    アプリでは簡単なステップで自動設定となるため設定時の負担が大幅に軽減します。

    • メール・カレンダー
    • ストア(再度パスワード入力あり)
    • Excel、Word、PowerPoint(編集可能かは契約による)
    • OneDrive
    • OneNote
    • は連携してアカウント登録設定

      なお、EdgeもOffice365アカウントでのログイン状態となるため
      標準のメールで役不足な場合でも
      Outlook on the Web をスタートにピン止めして
      アプリのように使用することができます。
      wp_ss_20170911_0001

     

    <電話を探す>

    他のモバイルOSでは紛失したデバイスを探したり
    リモートから消去できますが
    WindowsMobileでも同様のことができます。

    (Office365アカウントではExchangeの機能を利用したリモートワイプのみとなります。)

     

    有効にするにはMSアカウントの登録が必要。
    設定>アカウント>ユーザ情報 「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」

    登録すれば自動で有効
    設定>更新とセキュリティ>電話を探す
    wp_ss_20170911_0001

     

    https://account.microsoft.com/deviceskatana01katana02

    なくした電話またはデバイスを探す

     

      <テザリング>

      WindowsMobileとWindows10の組合せは
      iPhoneとMacのようにリモートでテザリングをONにする機能を備えています。

      おなじMSアカウントでログインしているWindowsMobileとWindows10で
      Bluetoothペアリングをしていることが条件となります。

      KATANA01の方で試してみました。
      wp_ss_20170911_0003スクリーンショット (2)
      ※Wi-Fi接続にBluetoothのペアリングデバイス名が表示される
      しかしながらWindows10の方でエラーで接続できませんでした

      スクリーンショット (3)
      原因を確認するとBluetoothのプロファイルがこれしかありません。
      ※Bluetoothテザリングの場合は「パーソナルエリアネットワークアクセスポイント(PAN)」が必要。

      Bluetoothテザリングをする機能は元々備えていたものなのでなぜこうなってしまったか
      原因は分かりません。

      NuAns NEOのほうはもっとひどくて
      Bluetoothペアリングには成功してもすぐに接続が切れてしまい
      テザリングのテストもできませんでした。

      KATANA01でのWi-Fiテザリングはリモートから操作可能でした。
      wp_ss_20170911_0004スクリーンショット (5)

       

      現状ではNuAns NEOは通常のスマホのようにWi-Fiのみ設定し
      手動で「モバイルホットスポット」をONにする操作が必要となってしまいます。
      ※テスト環境や固体による問題の可能性もある

      NuAns NEOは3,350mAhのバッテリーを搭載しており
      Quick Charge 2.0にも対応いるため
      比較的長く使用し続けられ、バッテリ不足時にも短時間で対応できると思われるので
      目論見通りに動作させられれば
      割切って「モバイルルーター兼」として使用するのもよいかもしれません。

      wp_ss_20170911_0005
      NuAns NEOは5Ghz帯も対応しておりルーター時も5Ghz帯が利用可能。

       

      <キーボード・マウス>

      Bluetoothキーボード・マウスが使用できます。20170911_041015

      が、いまいち安定してません。

      キーボードはMicrosoftのWedge Mobile Keyboardを使いましたが
      英語キーボードと認識したようで英/日の切替えを
      Win+Spaceでやることに。

      しかしテストをしているうちに日本語キーボードと認識したようで
      半角/全角で切り替えられるようになりました。

      写真のELECOMのモバイルマウスはポインタが安定せず使えません。
      別のマウスでは使えなくはないもののちょくちょくポインタが消えたりプチフリーズするような現象が発生

      WindowsMobileの画面ではどちらもマウスポインタが消えている状態
      (存在はしていて反応はしているがポインタは見えない)

      相性の問題かもしれませんが
      長時間使用するには厳しい感じ

       

      <Continuum>

      WindowsMobileといえば目玉機能であった「Continuum」

      当初から使用シーンが想定できなくて期待はしてませんでしたが
      NuAns NEOでは使えるので試してみます。20170911_041031
      推奨のアダプタはもっていませんがMiracastのNetgearのPTV3000があったのでこちらで

      wp_ss_20170911_0006wp_ss_20170911_0007wp_ss_20170911_0008wp_ss_20170911_0009wp_ss_20170911_001020170911_04124720170911_043233
      あっけなく認識して接続できました。

      CreatorsUpdateで改善されたためか
      思ったより使えるように感じます。

      ブラウザ(Edge)は同じなのですがContinuumで接続すると
      デスクトップ版ブラウザとして認識するようです。

      ただ、マウス、キーボード、ワイヤレスアダプタを持ち運び
      TVがあるところでしか作業できない制限・低スペックのWindowsとなると
      正直にノートパソコンを持っていった方がよいという結論になりますね。

      <リモートデスクトップ>

      環境構築にコストがかかりますが
      自宅にVPNで接続して自宅PCをリモートデスクトップで操作する
      という方がContinuumより現実的なのではないかと考えていました。

      同じことはAndroidでもできるのですが
      キーボードを繋げてもAndroidの画面を
      ソフトウェアキーボードや変換候補が埋め尽くして現実的ではありませんでした。

      細かい話は飛ばして肝心のキーボードがどうなるかをテスト

      wp_ss_20170911_0013
      標準の状態ですとキーボードはリモート先のものを認識しているようで
      英/日の切替えがBluetoothキーボードからできません。

      IMEをマウスでクリックという面倒なことになります。

       

      wp_ss_20170911_0012
      上部のキーボードアイコンをクリックするとWindowsMobile側の入力を送るようになり
      Bluetoothキーボードの「半角/全角」で英/日の切替えができるようになります。

      その代わり画面が一部見えなくなることになりますが
      Androidの画面半分覆うようなものよりはマシかな

       

      一通り機能を見てきましたが
      ハードもOSも作り込みがまだ不足している感がありました。

      ただ価格とセットアップのしやすさは優位だったと思います。
      将来に期待したいところですが終息する可能性が高く残念。

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